ライフイベント型

ゴミ屋敷が始めるきっかけは様々な型があります。人間にとって最もストレスフルなライフイベントは、配偶者の死であるという研究があります。 女性は夫を亡くしても、新たな楽しみを見つけて颯爽と生きている方が多いように見えますが、男性の場合は、妻に先立たれると、 自分がこれから何を目指して生きていけばよいのか、人生に絶望してしますケースが多々あります。

□妻が出ていき、1人暮らしで生活が破綻してしまった男性Zさんの事例

Zさんは、難聴で人うまくコミュニケーションがとれないことが影響して、些細なことで妻とよくケンカをしていました。 また、仕事など生活のストレスを酒で紛らわすようになり、暴力をふるうようにもなっていきました。 そうして、年金生活になり、さらに暴力が増えると妻は家を出ていってしまいました。 信頼を寄せる人がいなくなってしまったZさんは、生きる意欲を大きく失い、食事やゴミ捨てを拒否するようになり、家は、ゴミ屋敷となってしまいました。 このようなケースの場合、地域包括支援センターの職員やヘルパーがその代わりとなるべく、Zさんと少しずつ信頼関係を築き、生きる意欲を高めていくことが大切です。

□妻を亡くして、持病もひどくなり、生きる意欲を失ったXさんの事例

Xさんは、妻をなくして、娘も家に寄り付かなくなり、持病の腰痛もひどくなり、「もう死にたい」という言葉を口に出すようになりました。 この「もう死にたい」という言葉は、必ずしも本心を表しているわけではありません。それは何かのメッセージの可能性があります。 こんなに人様に迷惑をかけるくらいなら「もう死にたい」。こんなに腰痛がひどくて自分でトイレに行けないのだったら情けないから「もう死にたい」ということなのです。 「死にたいくらい辛い」状況に置かれている、そのような人にこそ、手を差し伸べるべきではないでしょうか。 そして少しでもそれが解決すれば、きっと次の希望が見出せるはずです。 こうした自分の人生の中で起きる出来事が原因で、ゴミ屋敷が出来てしまうのがライフイベント型のゴミ屋敷です。 もともとからゴミをため込む習慣がある人たちばかりが、ゴミ屋敷を作るわけではないのです。